データブローカーとは?

データブローカーとは、ビジネスモデル全体があなた、より正確にはあなたの情報を中心に成り立っている企業です。数十にも及ぶ情報源から膨大な個人データを収集し、詳細なプロファイルに整理したうえで、マーケター・保険会社・雇用主・法執行機関など、対価を支払う相手であれば誰にでも情報を販売します。

あなたはこれらの企業に登録したことも、利用規約に同意したこともありません。それでも、今この瞬間にもあなたに関するファイルが存在している可能性が高いのです。

データブローカーの仕組み

データブローカーは、驚くほど幅広い情報源からデータを収集します。

  • 公的記録 — 裁判所の文書、不動産記録、選挙人登録、婚姻・離婚の届出書類
  • ソーシャルメディアのプロフィール — 投稿・いいね・チェックイン・掲載されている個人情報
  • ポイントプログラムと小売購入履歴 — ポイントカードを使うたびに購買履歴が積み重なる
  • Webトラッキング — クッキー・ピクセル・サードパーティトラッカーがWebサイトをまたいであなたを追跡する
  • モバイルアプリ — 無料アプリの多くは位置情報や行動データをブローカーに販売している
  • 他のデータブローカー — そう、ブローカー同士でもデータを売買している

収集された生データは、クリーニング・照合・統合を経てコンシューマープロファイルとして仕上げられます。1件のプロファイルには、フルネーム・自宅住所・電話番号・メールアドレス・推定収入・政治的傾向・健康への関心・購買習慣・位置情報の履歴が含まれることもあります。

こうしたプロファイルは、クライアントにライセンス提供されるか、または直接販売されます。マーケティング向けオーディエンスに特化したブローカーもあれば、身元調査・保険会社向けリスクスコアリング、あるいは氏名で誰でも検索できる人物検索サイトを専門とするブローカーもあります。

VPNユーザーにとって重要な理由

多くの人がオンラインプライバシーを守るためにVPNを利用します。それは賢明な選択です。ただし、VPNがここで果たせること・果たせないことを正確に理解しておく価値があります。

VPNはIPアドレスを隠し、インターネットトラフィックを暗号化します。これにより、ISPやネットワークレベルの監視者があなたの閲覧行動を追跡することを防ぎます。ブローカーが依存するデータパイプラインのうち、IPアドレスに紐付いた行動トラッキングを直接遮断できます。

ただし、VPN単体では、ブローカーがすでに収集済みのデータを消すことはできません。また、ログイン済みアカウント・クッキー・デバイスフィンガープリンティングを通じたトラッキングを防ぐこともできません。Googleにサインインした状態でWebサイトを訪問すれば、VPNを使っていても閲覧活動はあなたの身元に紐付いたままです。

VPNと他のプライバシーツールを組み合わせることで、より強固な保護が得られます。トラッカーをブロックするブラウザの使用・不必要なアカウントへのログインの回避・データブローカーのデータベースから定期的にオプトアウトすること(詳細は後述)を検討してください。

具体的な事例

マーケティングターゲティング: ある小売業者が、幼い子どもを持ち可処分所得の高い世帯リストを購入し、おむつやおもちゃの広告を配信します。あなたが知らないうちに販売されていた購買履歴によって、あなたのプロファイルがそのリストに含まれている可能性があります。

人物検索サイト: Spokeo・Whitepages・BeenVerifiedなどのサイトはデータブローカーが提供するサービスです。数ドル程度で誰でもあなたの氏名を検索し、住所・親族・電話番号などの情報を入手できます。

保険と雇用: 保険会社によっては、見積もりを提示する前にリスク評価のためデータブローカーの情報を活用する場合があります。雇用主もブローカーが提供するサービスを通じてバックグラウンドチェックを行うことがあります。

位置情報データの販売: スマートフォンアプリから取得した精密なGPS位置情報データの販売を専門とするブローカーも存在します。このデータは、医療クリニックや礼拝場所を含む特定の場所への訪問追跡に利用された事例があります。

対策としてできること

オプトアウトの手続きは手間がかかりますが、不可能ではありません。Acxiom・Spokeo・LexisNexisなどの主要ブローカーはオプトアウトフォームを提供しています。DeleteMeやPrivacy Beeのようなサービスは、サブスクリプション料金でこのプロセスを自動化してくれます。

ネットワークレベルでは、確かなノーログポリシーを持つ信頼できるVPNを使用することで、IPアドレスベースの閲覧データを情報の流れから切り離すことができます。既存のプロファイルを消去することはできませんが、今後新たなデータが供給されるのを制限することは可能です。